2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03778
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
吉田 健太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超弦理論 / PP波背景 / 行列模型 / 超膜理論 / D-ブレイン |
Research Abstract |
PP波背景上の行列模型における重力子解と考えられる非可換球面解のダイナミクスについて調べた。まず、非可換球面解の二体相互作用について考察した。PP波背景上の行列模型には質量項が存在するため、二体相互作用の計算においてさえもセットアップを工夫する必要がある。我々は、楕円運動する非可換球面解と円運動する非可換球面解を考え、その相互作用ポテンシャルを導出した。得られたポテンシャルの主要項は11次元超重力理論から期待される1/r^7型であり、この結果からPP波背景上の非可換球面解が重力子解として解釈されることが強く裏付けられた。また、有限温度の場合を考えて、非可換球面解の配位の安定性について議論した。 一方、AdS_4xS^7とAdS_7xS^4背景上の開いた超膜理論における超対称性を半分保存する(1/2 SUSY)境界面(ディリクレブレイン)の分類を、理論のκ対称性と境界条件の整合性から行った。この結果はペンローズ極限を通じて、PP波背景上の開いた超膜の持ち得るディリクレブレインの分類と整合的である。また、AdS_5xS^5背景上のtype IIB超弦理論における1/2 SUSYディリクレブレインの分類をした。これらの結果はブレインプローブと呼ばれる別の方法で導かれるAdS-ブレインの分類と一致する。我々の方法は、ブレインプローブの方法と比べて、許される配位の系統的な分類ができるという利点がある。更に、ブレインプローブではフェルミオン変数について低次を残す近似を用いるが、我々の方法はフルオーダーでの分類が可能である。
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