2005 Fiscal Year Annual Research Report
高度利用を目指した淡水魚ミオシンのタンパク質工学的研究
Project/Area Number |
04J03804
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 英登 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ハクレン / ミオシン重鎖 / cDNAクローニング / 速筋 / 遅筋 / ソウギョ / 温度馴化 |
Research Abstract |
ハクレン(Hypopythalmichthys molitrix)成魚(体重4.9kg、2004年6月15日採取、採取時の水温23.4℃)の背側普通筋および血合筋、10℃、18℃および26℃に馴化したハクレン幼魚(体重10-20g)の背側普通筋を用いて、ミオシン重鎖(MYH)遺伝子のクローニングを行った。その結果、5種類の3'-末端の翻訳領域および非翻訳領域を含む約450bpのクローンが得られた。近隣結合法を用いた他魚種MYHとの系統樹解析から、1つは胚型、4つは速筋型と推定された。胚型のMYH遺伝子はソウギョの10℃型MYH遺伝子と最も高い相同性を示した(silver cap 10℃型 MYH、以下sc10とする)。また、速筋型の4つのMYH遺伝子のうち2つはソウギョ中間(I)-および30℃型と高い相同性を示し(scIおよびsc30とする)、残る2つはrock codの遅筋で主に発現するA4-typeと高い相同性を示した(slow1およびslow2とする)。 次に、各筋肉から調製したcDNAにおけるMYHアイソフォームの出現頻度を調べた。その結果、10℃、18℃および26℃に馴化した幼魚普通筋では50クローン中、sc10が48-50クローンと大部分を占め、馴化温度による差はほとんど認められなかった。一方、成魚普通筋は100クローン中、sc30が69クローン、sc10が18クローンであったのに対し、成魚血合筋では100クローン中、slow1が48クローン、sc30が39クローンと筋肉部位により各MYHの発現は著しく異なった。
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