2004 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマにおける非線形MHD不安定性に対するプラズマ流の影響の解明
Project/Area Number |
04J03822
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | MHD / 不安定性 / 抵抗性壁モード / 非線形 / シミュレーション / プラズマ流 / RCIP / トカマク |
Research Abstract |
トカマクでは、抵抗性壁モード(RWM)の発生によりベータ値が制限されていることが実験的に観測されており、その安定化が重要課題の一つとなっている。本研究では、(m,n)=(3,1)のRWMの非線形挙動に対するポロイダル回転の影響を非線形シミュレーションにより調べた。低ベータ、円柱プラズマを仮定した簡約化MHD方程式を用いた。自由境界問題を取り扱うために、擬真空モデルを用い、コアプラズマの周りに抵抗が非常に大きいプラズマを置いた。本研究ではさらに密度の時間変化も求めるように計算コードの拡張を行った。真空を模擬するためには、コアプラズマと擬真空プラズマの間に非常に大きな抵抗差、密度差を仮定する必要があり、非線形シミュレーションが非常に困難である。本研究では、ポロイダルフラックスと流れ関数に対しては、フーリエ級数展開法を用い、一方、温度と密度に対してはRCIP法を用いることでこの問題を解決した。 シミュレーションの結果より、コアプラズマと擬真空プラズマでの密度を同じとした場合は、初期回転が大きいほど飽和レベルが小さくなるが、一方、コアプラズマの周りに抵抗が大きくかつ密度が小さいプラズマが存在する場合は、飽和レベルが初期の回転の大きさに依存しないことを明らかにした。さらに、このときエネルギーの挙動が初期の回転の大きさにより異なることも明らかにした。回転が小さいときは、磁気エネルギーは時間とともに減少する。一方、回転が大きいとき(アルフベン速度の数10%)は、線形領域で磁気エネルギーは増加し、運動エネルギーは減少する。非線形領域でプラズマ表面において回転がほぼゼロに減速されると、磁気エネルギーの変化は減少へと転ずる。そして、最終的には、初期に回転がないときとほぼ同じモード構造で飽和した。この様に、プラズマ平衡流と外部モードの非線形挙動の関係を調べるには、密度変化も考慮する必要がある。
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