2005 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマにおける非線形MHD不安定性に対するプラズマ流の影響の解明
Project/Area Number |
04J03822
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | MHD / 不安定性 / シミュレーション / トカマク / 抵抗性壁モード |
Research Abstract |
磁気流体力学(MHD)不安定性である抵抗性壁モードの抑制は、トカマク装置において重要課題の一つである。本研究では、簡約化MHD方程式を基にした非線形シミュレーションを行い、外部モードである(m,n)=(3,1)の抵抗性壁モードの非線形挙動を調べた。ここで、m、nはそれぞれポロイダル、トロイダルモード数である。まず、シングルヘリシティを仮定しポロイダル回転の影響を調べた。抵抗性壁モードには、wall modeとplasma modeと呼ばれる異なった性質を持つモードが存在する。回転が小さいときは、wall modeが不安定であり、回転が大きくなるとplasma modeが不安定となる。wall modeは回転が大きくなるにつれ減速トルクが大きくなる。このため、非線形領域で回転の減速が起こり、飽和レベルは回転の大きさに依存しない。一方、Plasma modeは回転を大きくするにつれ減速トルクが小さくなる。このため回転は減速されにくく、飽和レベルが低下することを明らかにした。 次に、異なるヘリシティのモード間の相互作用を調べるために3次元計算を行った。本研究で用いた平衡分布では、(m,n)=(5,2)の内部モードも線形不安定であるが、(m,n)=(2,1)の内部モードはほぼ安定である。シミュレーションによれば、(m,n)=(3,1)モードが初め支配的であるが、非線形状態に入ると(m,n)=(5,2)モードが不安定化され急激な成長を示す。その結果、コアプラズマ周辺の磁力線は乱れた構造になる。(m,n)=(3,1),(5,2)モードの飽和後も(m,n)=(2,1)モードは成長を続け、プラズマ崩壊を発生させることがわかった。実験では、(m,n)=(3,1)の抵抗性壁モードの発生後にn=1の内部モードが現れ、プラズマ崩壊の発生を観測している。本研究の結果はこの現象を説明できる可能性がある。
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Research Products
(1 results)