2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス蛋白質に結合する宿主細胞由来因子の網羅的検索
Project/Area Number |
04J03829
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高橋 直子 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 特別研究員(PD)
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Keywords | カポジ肉腫ウイルス / LANA / Brd4 |
Research Abstract |
カポジ肉腫ウイルスのLANA(latency-associated nuclear antigen)は、ウイルスDNAが安定に宿主細胞に保持されるために必須の蛋白質であるがその詳細な機能は明らかになっていない。我々はこれまでに、BET familyに属する蛋白質であるBrd4がLANAと結合することを見いだした。LANAとBrd4がそれぞれどの部分で互いに結合するのかをアミノ酸残基を欠損したLANAおよびBrd4を発現するプラスミドを数種類構築し検討した。その結果、LANAについては936番目から1162番目のアミノ酸残基の間の領域にBrd4との結合に重要な領域が含まれており、Brd4についてはN末端側に含まれるセリン残基に富んだ2つの領域及びETドメインと呼ばれる領域がLANAとの結合に重要であることがわかった。 実際にカポジ肉腫ウイルスが感染しているBCBL-1細胞において、LANAとBrd4とが結合しているかをBrd4に対する抗体を用いた免疫沈降法により調べたところ、LANAとBrd4とが結合していることがわかった。また、免疫染色法によりBCBL-1細胞内でのLANA及びBrd4の局在を調べた結果、LANAとBrd4は共に核内に存在し、局在が部分的に一致していることがわかった。 LANA及びBrd4は細胞内でそれぞれいくつかの転写の制御に関与していることが報告されている。現在、LANAとBrd4との結合が細胞内の転写制御に影響を与えているのか否か、LANAと結合できない変異型Brd4、及びBrd4と結合できない変異型LANAを用いて検討している。
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