2005 Fiscal Year Annual Research Report
相分離を利用した大きさの揃った新規機能性複合高分子微粒子の設計
Project/Area Number |
04J04032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 直彦 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高分子 / 複合材料 / 微粒子 |
Research Abstract |
1 玉ねぎ状多層構造粒子の表面ポリマー組成の制御 ポリスチレン-ポリメタクリル酸メチルブロックポリマー(PS-b-PMMA)がトルエンに溶解したポリマー溶液を安定剤存在下の水溶液中で撹拌することで懸濁滴を作製し,トルエンを徐放させることでタマネギ状の多層構造を有する複合粒子を作製した。懸濁滴作製時にドデシル硫酸ナトリウム(SDS),ポリビニルアルコール(PVA),ノニオン性界面活性剤をそれぞれ安定剤として用いたところ最終的な粒子の内部構造に大きな変化は見られず、全ての粒子が玉ねぎ状多層構造を形成した。安定剤を変化させて作製した多層粒子について,表面ポリマー組成をESCAを用いて解析したところSDS, PVAを用いた場合はカルボニル基の炭素に起因するピークが明瞭に観察され,粒子表面は100%の割合でPMMA相に覆われていた。一方特定のノニオン性界面活性を安定剤として用い場合は,ベンゼン環に起因するサテライトピークが明瞭に観察され,粒子表面は100%の割合でPS相に覆われていた。 2 単分散玉ねぎ状多層構造粒子の層厚み制御 PS-b-PMMAがトルエンに溶解したポリマー溶液をSDS水溶液中にSPGを用いて分散させることで大きさの揃った懸濁滴を作製し,その後トルエンを徐放させることで単分散なタマネギ状多層構造粒子を作製した。PS-b-PMMAの分子量によって得られる多層粒子の層厚みは変化し,分子量が増加するに伴って層厚みは増加した。粒子断面を示した超薄切片によるTEM写真から見積もつた層厚みは,PS-b-PMMAの分子量の2/3乗に比例した。
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