2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04071
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Research Fellow |
齋藤 愛理 (廣田 愛理) 東京都立大学, 経済学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヨーロッパ統合史 / フランス / 近代化計画 / 農業政策 |
Research Abstract |
一般的にEECの設立はフランス農業にとって大きな利点があったと理解されているが、これまでの統合史研究はもっぱら工業部門の検討に重点をおき、フランスがEECの共同市場創設を受け入れるにあたって、農業問題をどのように検討したかについては明らかにしていない。したがって本年度は、1950年代初頭のヨーロッパ農業共同体構想から、EECの共通農業政策の基本ラインを定めたストレーザ会議の時期におけるフランスの統合政策と国内の農業政策の関連を探ることを課題とした。とりわけこの期間が第二次近代化計画の策定および実施期間、さらに第三次近代化計画の策定期間に一致することから、両計画における農業近代化政策がヨーロッパ統合の進展におけるフランスの態度決定にいかに繁栄されたかを検討することを主眼とした。 このため、まずヨーロッパ農業共同体構想および近代化計画に関する先行研究の整理を行った上で、以下の3ヶ所の文書館において一次史料の収集を行った。(1)フランス外務省(経済金融局文書)、(2)パリ国立文書館(計画庁文書および「ヨーロッパ経済協力関係問題省間会議事務局」文書)、(3)現代史料センター(農業省文書、「ヨーロッパ経済協力関係問題省間会議事務局」文書)。本年度の研究成果については、来年度発行の『現代ヨーロッパ社会経済政策の課題と展開(仮題)』(廣田 功編、2005年10月発行予定)において発表予定である。また、本年度は、『ヨーロッパ統合と国際関係』(木畑 洋一編、2005年4月末発行予定)に収録されるパトリック・フリダンソン執筆論文、「ヨーロッパ統合とフランス(1920-1990年)-政治家のヨーロッパか、企業のヨーロッパか-」の翻訳を行った。
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