2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04103
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
豊岡 博子 (河合 博子) 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ホウライシダ / フィトクロム / フォトトロピン / シダ / 葉緑体光定位運動 / DNA干渉 / ジーンサイレンシング / 光屈性 |
Research Abstract |
ホウライシダフィトクロム3 (phy3)は、赤色光・遠赤色光受容体のフィトクロムと青色光受容体のフォトトロピンの構造を併せ持つキメラ光受容体であり、赤色光依存の光屈性・葉緑体光定位運動に機能している。本研究課題は、phy3は、1)いかにして光情報を次段階に伝達しているか、2)フォトトロピン領域を介して、ホウライシダの青色光依存の生理反応に機能するか否か、の二点の解明を目的としている。本年度は、phy3の情報伝達様式を検証するため、点突然変異を導入したPHY3とGFPの融合遺伝子をホウライシダPHY3欠損突然変異株配偶体に一過的に導入し、GFP蛍光が検出された細胞での葉緑体光定位運動を解析することで、phy3の機能に対する特定のアミノ酸の影響を解析している。現在までに、phy3が司る赤色光依存の葉緑体光定位運動には、1)フォトトロピン領域に存在するセリン・スレオニンキナーゼドメインによるリン酸化反応が関与すること、2)フォトトロピンの光受容機構に重要であることが知られている、青色光受容部位LOVドメイン内のシステインと色素団フラビンモノヌクレオチドとの結合は必須でないこと、が分かっている。 さらに、ホウライシダにおける青色光依存の光屈性・葉緑体光定位運動に対するphy3の機能を解析するため、これらの反応にphy3と重複して機能していると推測されるphot1・phot2とphy3を併せて欠損する突然変異体の単離を試みており、現在PHOT2PHY3二重突然変異体の単離を進めている。 また本年度、研究代表者が発見し、本研究課題の遂行に必要な手法である、ホウライシダ配偶体における二本鎖DNAによるジーンサイレンシング法、すなわちDNA干渉法(DNA interference, DNAi)に関する論文をPlant and Cell Physiology誌に発表した。
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