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2005 Fiscal Year Annual Research Report

フィジーにおけるインド系住民の移動に関する文化人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 04J04162
Research InstitutionTokyo Metropolitan University
Research Fellow 城戸 俊一郎  首都大学東京, 社会科学研究科, 特別研究員DC1
Keywordsフィジー / インド系 / 移民 / NRI / 国民国家 / 文化人類学 / クーデタ / ナショナリズム
Research Abstract

フィジー諸島共和国におけるインド系住民の背景を明らかにすることを目的として、2005年8月から2006年2月にかけて現地調査の実施がメインとなった。現地調査においては、(1)フィジー諸島共和国に関する史資料の収集、(2)現在の政治状況に対する資料収集および聞き取り、(3)ビティ・レブ島フィールドワークを通してのインド系住民への聞き取りを行った。
上記の作業を通じて、以下のことを明らかにすることが出来ました。
現在のフィジーの状況は、2000年のクーデタの余波を受け、政治的な混乱が深まっています。特に、クーデタ後に続く混乱の解決を目指して立案された「和解・寛容・統一法案」が、さらなる政治的混乱を招くという状況となり、現在、この法案をめぐって様々な議論が起きています。この議論における政府と軍の対立、与党と野党の対立といった目に見える対立の背後に、フィジー系およびインド系住民の内外でそれぞれの対立および協調が見え隠れしています。この法案は、フィジー系およびインド系という二大民族の持つ権利を同等にするような形式では、国民を一つに纏め上げることが難しいという状況で、「国民国家」を纏め上げていこうという試みとして捉えることが出来ると同時に、その試みがもたらす歪みとしても見ることが出来る。さらに、ミクロなレベルでは、インド系住民が、海外移住を日常的な選択肢に入れることによって、フィジー系と同等の権利を持っているわけではない「国民」として、「国民国家」に絡め取られることを避けるという戦略を実施している。
以上の研究により、「国民国家」概念の再考を試みると同時に、現地における当事者の戦略実践が明らかになりつつある。
研究成果は現在まとめている過程であり、完成次第開示していく予定である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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