2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04309
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新田 宗土 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ソリトン / 超対称性 / BPS状態 / 有効理論 / ドメインウォール / 渦糸 / 磁気単極子 / インスタントン |
Research Abstract |
Higgs場と結合した非アーベリアン・ゲージ理論には、Bogomol'nyi-Prasad-Sommerfield(BPS)なトポロジカル・ソリトンとして、インスタントン、モノポール、ボーテックス、ドメイン・ウォールが存在する。我々は最近、基本表現に属するN_F個のハイパー多重項を持つU(N_C)超対称ゲージ理論(N_F>N_C)におけるBPS状態としての多重ウォール解及びそのモジュライ空間の構成を行った。モジュライ空間MはN_F, N_Cで定まる有限次元の複素グラスマン多様体M=SU(N_F)/[SU(N_C)xSU(N_F-N_C)xU(1)]であることを明らかにした。このウォールの配置を、IIA/IIBストリング理論におけるDp-D(p+4)系のブレーン配置として表すことにより、ウォールの様々な複雑なダイナミクスが容易に理解できる。N_F個のD(p+4)ブレーン背景中の、N_C個のDpブレーン上の理論を考える。Dpに垂直なD(p+4)ブレーン方向をZ_2で割ることによりオービフォルドにすると、フラクショナルなDpブレーン上に我々の考えている理論が得られる。ハイパーに質量のない場合は、理論の真空はC^2/Z_2ALE空間上のインスタントンによって与えられる。ハイパーに質量を与えるとD(p+4)ブレーンが離れる。S規則から、各D(p+4)ブレーンに最大一つまでのDpブレーンが乗れることがわかり、可能な真空の数はN_FC_N_Cとなり場の理論の結果を再現する。さらに、多重ウォールはキンク状のDpブレーンによって現される。このブレーン配置を用いると、場の理論で発見された様々な非アーベリアンウォール特有の複雑な現象が、非常に簡単に理解できることがわかる。 また最近、論文もっと一般の場合のドメインウォールのモジュライ空間は特殊ラグランジアン部分多様体の寄せ集めとなることがわかった。そのような一般の場合のDブレーン構成がどのようなものであるのかが興味深い今後の課題である。 また1/4 BPS混合系である、ボーテックスを伴ったモノポールやインスタントンも詳しく調べられており、これらのDブレーン構成も望まれる。
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Research Products
(11 results)