2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04313
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平野 直人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 海底火山 / アルカリ玄武岩 / 日本海溝 / 北西太平洋 / アセノスフェア / 太平洋プレート |
Research Abstract |
本年度は、調査船による海底地質調査および地球物理学的観測を5月と8月に2回、潜水調査船による潜航調査を5月に4回行った。5月のJAMSTEC調査船「よこすか」および潜水調査船「しんかい6500」による調査では、2004年度の同調査船によって確認されていた北西太平洋の深海平原上の火山が、周囲にさらに複数存在していることが判明し、さらにその噴火様式は深海底の静水圧下での想像を絶するような爆発的な噴火であったことが判明した。このことはマグマ中の揮発成分が、6000mの水圧でも爆発を起こすほど多量に含まれていることを示し、マグマの起源マントルが特殊な場(例:溶けやすいアセノスフェア)であることを示唆する。この成果は、昨年度の火山の発見と共に、国際的にレベルの高い学術雑誌に投稿する予定である。またその際には新聞など各種プレス発表も行う予定である。 本大学内、京都大学、東京大学、理化学研究所との協力で岩石試料の化学組成の分析を行った。その結果化学組成からも、太平洋プレート直下約100km深部のアセノスフェアからマグマが来ていることが判明し、プレート内火山の代表的存在であるホットスポット(例:ハワイ火山)が起源ではないという新しい火山の成因も判明した。 本研究の成果は、国内学会5回(9月に京都で行われた日本地質学会、9月に松山で行われた日本岩石鉱物鉱床学会、9月に那覇で行われた日本地球化学会、1月に横浜で行われたJAMSTECブルーアース'06での2講演)、海外の学会1回(12月にサンフランシスコで行われたAmerican Geophysical Union Fall Meeting)、そのほかの講演依頼(4月:湘南地球科学の会、2月:海上保安庁)などで発表した。
|