2004 Fiscal Year Annual Research Report
細線状活性層を用いる高性能光通信用半導体レーザの研究
Project/Area Number |
04J04385
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大平 和哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光通信工学 / 半導体レーザ / 分布帰還型レーザ / 光集積デバイス / GaInAsP / 有機金属気相成長法 / 電子線露光 / ドライエッチング |
Research Abstract |
現在の光通信網の普及に伴い、その光源である半導体レーザには更なる低しきい値動作、高効率動作、多機能化など、一層の特性向上が要求されている。本研究では、電子ビーム(EB)露光法、ドライエッチング、埋め込み成長法を用いて、細線状活性層を有する高性能レーザの作製を行い、1.55μm波長帯半導体レーザの高性能動作の実現を目指した研究を行ってきた。 低電流かつ高効率動作が可能な半導体レーザ実現のために、活性層幅を変調させることで遷移エネルギーの変化を利用した集積法を提案した。本集積法を用いて細線サイズの異なる2つの領域(活性・受動領域)を集積し、低しきい値動作を維持したまま高効率動作が可能である分布反射型(DR)レーザを提案・実現した。理論解析より、しきい値電流を半減させつつ効率を向上させることが可能であることを明らかにした。作製した素子において、最低しきい値電流1.1mA、前端面からの外部微分量子効率36%という高出力特性を実証した。また、共振器内部の回折格子に位相シフト構造を導入することにより、更にしきい値電流の低減が可能であることを理論解析より明らかにし、作製した素子において、低しきい値電流1.2mAを得た。いずれの素子においても副モード抑圧比40dB以上の良好な単一モード動作が得られ、低電流・高効率・安定単一モード動作を実証した。 また、この作製技術を用いてこれまで実現されていない単一素子で連続的に波長を変化させて出力する連続波長可変レーザの実現を目指し、回折格子周期を線形に変化させた(チャープ型)細線状活性層を有する波長可変DFBレーザの理論解析を行った。その結果、安定単一モード動作が可能なチャープ量を明らかにし、利得(励起)領域を移動させることで連続波長可変特性が得られる可能性を示した。このことから本構造は波長制御性が良く、安定単一モードで連続可変が可能であると期待できる。
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Research Products
(2 results)