2004 Fiscal Year Annual Research Report
局所的圧縮破壊特性を組み込んだコンクリート構造の変形挙動予測手法の確立
Project/Area Number |
04J04483
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コンクリート / 局所的圧縮破壊 / アコースティック・エミッション / 応力-ひずみ履歴曲線 / RCディープビーム / プレストレストコンクリートはり |
Research Abstract |
本年度は、アコースティック・エミッション(AE)法を用いたコンクリートの局所的圧縮破壊域の同定手法の開発、せん断圧縮型破壊に至るコンクリートはり部材の圧縮破壊域の同定、および局所化問題を克服した応力-ひずみ履歴曲線の定式化を目的として研究を行った。 はじめに,コンクリート供試体の一軸圧縮載荷試験を行い、形成されたひび割れ表面積、AEおよびひずみエネルギー吸収量を、X線CT法、AEセンサおよびひずみゲージを用いて計測し、これら3つの指標が相互に関連していることを確認した。特に、AE法は、ひずみエネルギー吸収量を適切に評価できる手法であることから、圧縮破壊域の同定に有効であることを示した。 次に,AE法を用いてRCはりに生じる圧縮破壊域を同定するとともに、圧縮破壊の局所化の観点からせん断圧縮破壊現象を検討した。RCディープビームの曲げ載荷試験では、AEの発生源位置を標定することで得た局所的圧縮破壊領域が、既往の手法で同定された領域とほぼ同様であることを確認した。続いて、コンクリートに混入した繊維量の増加に伴うPCはりのせん断耐力の増加が、局所的圧縮破壊域が増加したことに起因する現象であることを明らかにした。 次に,応力-ひずみ履歴関係の軟化曲線に関して、局所化現象に起因した寸法依存性を検討した。高さと直径の寸法比が異なる供試体の繰返し圧縮載荷試験を実施し、供試体位置に依存して異なるひずみを計測した。この測定結果に基づき、供試体を破壊域、遷移域および除荷域に区別し、3つの各領域で、応力-ひずみ履歴関係を定式化した。また、定式化したこれら3つの応力-ひずみ履歴関係を、それぞれの領域長さで重み付けして足し合わせることで、コンクリートの圧縮強度および供試体の寸法比に依存して変化する応力-ひずみ履歴関係を、精度良く表現できることを確認した。
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Research Products
(5 results)