2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04634
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 伸次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | クロムスピネル / 離溶 / 透過型電子顕微鏡 / コーサイト / 超高圧 |
Research Abstract |
昨年度から引き続き、クロムスピネル中の離溶ラメラについて、東工大設置のEPMA、Laser-Raman、透過型電子顕微鏡を用いて分析を行い、試料作成法や構造解析の技術向上を中心に研究を進めた。その結果、これまでより短時間での試料作成が可能になり、多くの離溶組織を分析したところ、クロムスピネル中の離溶組織には単斜輝石(CaMgSi206)以外にも、Si02相(コーサイト)やMgSi03相(結晶構造は不明)も存在することが分かった。コーサイトの発見から、この離溶組織は、超高圧環境下(>3GPa)にて生成されたことが明らかになった。これに関連して、サンプルの任意のナノ領域の分析を目指すために、東京工業大学総合分析支援センターにて、FE-SEM、FIBなどの分析技術の習得を目指した。これらは来年度も引き続き行う予定である。 一連の分析から得られた成果について、5月に地球惑星合同大会、12月にAmerican Geophigical Union fall meetingにてそれぞれ発表を行い、広く他分野の研究者と意見交換することができた。現在、これらについての投稿論文の準備を進めている。クロムスピネル中のこれらの離溶組織はこれまでに報告されていない、全く新しい発見である可能性が高く、その生成温度圧力の見積もりについて、今後高温高圧実験を行う必要があると考えられる。
|