2004 Fiscal Year Annual Research Report
低誘電率、低誘電正接を有する次世代感光性有機層間絶縁膜の開発
Project/Area Number |
04J04657
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土屋 康佑 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポリナフチレン / 低誘電材料 / 耐熱性ポリマー / 層間絶縁膜 / 酸化重合 / 塩化鉄 / 酸素 |
Research Abstract |
シリコン超大規模集積回路(ULSI : Ultra-Large Scale Integrated Circuits)は21世紀の高度情報化社会,ユビキタス情報社会の実現のために情報通信分野で最も重要なコア部であり,今後さらに高集積化と高速化が要求されている。この高集積化と高速化の両立には超微細加工のためのリソグラフィー技術、配線間を取り巻く層間絶縁膜の低誘電率(low k)化と低誘電正接化が必須である。そこで本研究ではこれら二つを命題として掲げた。一つ目の次世代超微細加工リソグラフィー用材料として、分子レベルで応答可能な低分子アモルファス材料に着目した。すなわち、種々のコア分子を有する低分子アモルファスを合成したところ、ヘキサキス(ヒドロキシフェニル)ベンゼンをコアとする分子が高いガラス転移温度(105℃)を示した。これをシリコン基板に塗布し、電子線照射、アルカリ現像あるいは超臨界二酸化炭素現像による検討を行ったところ微細パターンが可能であった。二つ目の低誘電・低誘電損失材料開発では、材料の分極率と密度を下げ、双極子分極が起こりにくい構造を設計した。繰り返しの半田工程に耐えるための耐熱性も重要であるが、耐熱性向上のための芳香環の導入は低誘電率化に不利に働く。しかし,ナフチル基のカップリングで生じるビナフチルはナフタリン環がほぼ直交しているのでかさ高く,高分子の骨格内に分子レベルのナノ空孔を形成ができ(molecular scale free volume),耐熱性,剛直性も同時に維持できると考えた。そこで酸化カップリング重合を用いた低誘電性ポリマーの合成に取り組み,2,2'-ビス(1-ナフチルオキシ)-1,1'-ビナフチルの酸化カップリング重合により高分子量の相当するポリ(ナフチレン-エーテル)(PNE)の合成に成功した。その物性について検討したところ,誘電率(2.5),強度(9.5GPa),耐熱性(500℃以上)など次世代低誘電層間絶縁膜に要求される基本的な物性を有していることが分かった。
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Research Products
(2 results)