2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質の水晶発振子上でのin situ解析系の構築
Project/Area Number |
04J04667
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三友 秀之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 膜タンパク質 / 水晶発振子 / 再構成リポソーム |
Research Abstract |
膜タンパク質はその疎水性の高さから取り扱いも難しく、また脂質膜との相互作用が活性に影響を与えることもあり、定量的な解析などはあまり行われていない現状がある。そこで、本研究では、膜タンパク質をより定量的に解析するために水晶発振子マイクロバランス法を用いた解析系の構築を目指している。膜タンパク質は、膜貫通型タンパク質と膜表在型タンパク質の2種類に大別される。そこで、まずは膜表在型タンパク質の解析系の構築を行った。水晶発振子の金基板上にアルカンチオールのSAM(Self-Assembled Monolayer)を作製し、その上にEgg PCからなるSUV(Small Unilamella Vesicle)を添加することで平面脂質膜を調製した。GPIアンカー型の膜タンパク質のモデルタンパク質として、大腸菌の脂質修飾機構を利用し、部位特異的に脂質修飾された抗体結合タンパク質(Protein AのB-domain)を調製し、脂質膜との相互作用によって基板上に固定化した。この固定化挙動を水晶発振子でモニターしたところ、脂質修飾されていない抗体結合タンパク質では全く吸着しなかったため、修飾した脂質部位が脂質膜に挿入することによって配向的に固定化されていると考えられる。そして、この脂質修飾抗体結合タンパク質と抗体との相互作用解析を行い、動力学を評価した。またそのときの挙動について定量的に評価することで膜上のタンパク質同士の相互作用(2:1の結合挙動)が観察することができたと考えられる。上記の方法で、脂質アンカーによる膜表在型タンパク質だけでなく、静電的に膜に表在するタンパク質の解析も可能であると考えられる。 現在は膜貫通型タンパク質の調製を行い、固定化の検討を行っている。
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