2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04686
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 英美 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脱ユビキチン化 / ユビキチン化 / 増殖因子受容体 / エンドソーム / ダウンレギュレーション |
Research Abstract |
増殖因子により活性化された増殖因子受容体はエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれ、エンドソームを経由してリソソームへと運ばれ分解される。このダウンレギュレーションのプロセスは受容体からの過剰なシグナルを遮断するための重要な調節機構である。受容体はリガンド依存的にユビキチン化を受け、このユビキチン化がリソソームへの選別輸送シグナルとして機能することが近年明らかにされた。リソソームへの分解経路への選別は、エンドソーム膜上に局在するHrs/STAM蛋白質複合体がユビキチン化受容体を認識することによって行われる。私達はHrs/STAM複合体の解析を行う過程で、STAMが脱ユビキチン化酵素UBPYと結合することを見出している。本研究では増殖因子受容体のダウンレギュレーションにおけるUBPYの機能について解析を行った。 まずUBPYがユビキチン化受容体の脱ユビキチン化を行うか検討した。その結果、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)のリガンド依存的なユビキチン化レベルは、UBPY過剰発現細胞において大幅に減少した。精製したユビキチン化EGFRとUBPYをin vitroで反応させることによってもEGFRの脱ユビキチン化が観察された。さらにRNAiにより内在性のUBPYをノックダウンした細胞では、EGFRのリガンド依存的ユビキチン化レベルの上昇が見られた。これらのことからUBPYは直接EGFRの脱ユビキチン化を行うことが示された。また、UBPYを過剰発現した細胞ではEGFRのダウンレギュレーションが抑制された。 以上の結果から、増殖因子受容体のダウンレギュレーションはCblによるユビキチン化に拮抗して、UBPYによる脱ユビキチン化により負の調節を受けていることが示唆された。すなわちUBPYが受容体の分解を遅らせることで、受容体からの細胞増殖シグナルの強度、あるいは持続時間の調節を行っている可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)