2004 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代中・後期の俳諧と絵画-酒井抱一と江戸座俳諧を中心として-
Project/Area Number |
04J04770
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
井田 太郎 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 風景 / アメリカ / 俳諸 / 草虫画 |
Research Abstract |
今年度は、申請研究が謳ったところの「江戸時代中・後期における画俳の相関性の追及」の一環として、草虫画/詠の展開を把握するために、国内では東京国立博物館などの美術館や図書館(天理大学綿屋文庫・伊丹市立柿衛文庫など)で俳譜・絵画資料調査を行った。ことに、草虫画/詠の展開の中で重要な作品である、酒井抱一筆「四季花鳥図巻」(東京国立博物館蔵)を披見することをえたのは重要である。また、メトロポリタン博物館(俵屋宗達筆「月に秋草図屏風」など)、アジア・ソサエティ(伊年印「四季草花図屏風」・酒井抱一筆「松に藤図屏風」など)、バーク財団(俵屋宗達「伊勢物語色紙」など)、フリーア・ギャラリー(俵屋宗達筆「松島図屏風」・「雲龍図屏風」、尾形光琳「群鶴図屏風」など)、ファインバーグ・コレクション(鈴木其一筆「群鶴図屏風」・「十二か月花鳥図屏風」など)など、アメリカでの長期にわたる関連作品・関連作家の基準作品の調査も敢行した。なお、抱一や大名の絵画・江戸座俳諸資料を含む姫路藩家老伝来資料の調査・写真撮影も行い、現在鋭意論文を執筆中である。 「画俳の相関性の追及」の一環として、江戸時代中・後期に至る画と俳の相互触発の実態の考察を試みるべく、風景画と風景に関する詩歌を具体的にとりあげた「富士筑波という型の成立と展開」を執筆し、美術雑誌「國華」に投稿して、掲載が決定している(学際的な試みなので、他分野の雑誌に掲載することにした。なお、刊行は5月である)。
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