2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳内光受容体の光情報伝達機構が解く日周活動・光周性制御の謎
Project/Area Number |
04J04797
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
増田 智浩 宇都宮大学, 農学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | アユ / ロドプシン / 性成熟 / 光周性 / 視床下部 / in situハイブリダイゼーション / cDNAクローニング / Dio2 |
Research Abstract |
昨年度,免疫組織化学的手法により生殖腺発達制御機構の中枢である視床下部の視索前野の視索前核大細胞部および小細胞部においてアユロドプシンに対する免疫陽性反応が観察された.今年度はアユロドプシン遺伝子の脳内での発現部位をより詳細に検討するため,まずアユロドプシンmRNA特異的なプローブを用いてin situハイブリダイゼーションを行った.乳剤にdippingして現在露光中であり,今後,詳細な解析を行う予定である. 近年ウズラを用いた研究により,甲状腺ホルモンの2型脱ヨウ素酵素,type 2 deiodinase(Dio2),が視床下部において発現し,性成熟の光周性制御に重要な役割を果たしていることが明らかとなった.そこで,アユにおいても同様の制御メカニズムにより性成熟が制御されているのではないかと考え,アユの脳からDio2遺伝子のcDNAクローニングを試みた.他種のDio2塩基配列を元に設計した縮重プライマーを用いRT-PCRを行った結果,314bpのcDNA断片を得た.BLASTNによる相同性検索結果から,得られた断片がDio2と最も相同性が高かった.さらにこのcDNA断片を元に5'RACEを行い1029bpのcDNA断片を得た.演繹アミノ酸配列をBLASTPにより相同性検索を行ったところ,予想されたとおり,Dio2と最も相同性が高かった.以上の結果から魚類のアユにおいても鳥類と同様にDio2を介した生殖腺発達制御を行っていることが示唆された.
|
Research Products
(2 results)