2004 Fiscal Year Annual Research Report
非可逆圧縮画像の改ざん検知のための電子透かし方式に関する研究
Project/Area Number |
04J04803
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Research Institution | Utsunomiya University |
Research Fellow |
渡邉 淳 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電子透かし / 改ざん検知 / 非可逆圧縮 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非可逆に圧縮された画像のための改ざん検知電子透かし方式を開発することである.現在提案されている非可逆圧縮画像のための電子透かしの多くは,非可逆圧縮には耐性がある一方,画像の意味を変えるような処理に対しては耐性を持たせない透かしを圧縮前に埋め込むという方式であるが,圧縮に対して完全な耐性を持たせ,かつフィルタリングや画像編集などによる改ざんを検知することは困難である.ディジタルカメラのような画像情報機器では,画像が生成されてから圧縮を経て蓄積されるまでの間,改ざんの恐れはほとんどない.本研究ではこの点に着目し,画像の圧縮後に透かしを埋め込む方式を構築し,さらにその評価を行っている. 本研究では,対象とする非可逆圧縮方式をJPEGに限定し,すでに非可逆圧縮された画像のための改ざん検知電子透かしの検討を行っているが,ここで必要とされる項目を次のように定めている.すなわち,(1)画質の劣化が小さいこと(通常の圧縮画像と見分けがつかないこと),(2)改ざん検知能力が高いこと,(3)検知不可能な改ざん方法が存在しないこと,の3つである.本年度は,まず,全体的な埋め込み方式の構築について検討を行い,さらに上記の(1)について検討を行った.全体的な埋め込み方式の構築については,透かしを埋め込んだ後,JPEG圧縮のエントロピー符号化で整合性が取れるようにするための条件についての考察や,透かしの抽出方法についての検討を行った.また,上記(1)すなわち,透かしの埋め込まれた合成画像の画質については,透かしを埋め込む周波数成分と画質への影響との関係について考察した.
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Research Products
(3 results)