2006 Fiscal Year Annual Research Report
非可逆圧縮画像の改ざん検知のための電子透かし方式に関する研究
Project/Area Number |
04J04803
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Research Institution | Utsunomiya University |
Research Fellow |
渡邉 淳 宇都宮大学, 工学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電子透かし / 改ざん検知 / 非可逆圧縮 |
Research Abstract |
近年,ディジタル画像処理技術の発展に伴い,ディジタル画像を扱う機会が非常に多くなってきている。ディジタル画像は容易に複製や編集が可能であり,違法なコピーや改ざんなどによる著作権の侵害という問題が発生している。このような問題に対する対策として,電子透かしの研究が盛んに進められている。電子透かしとは,コンテンツに知覚上無視できる程度の改変を加え,著作権情報等をコンテンツ自身に埋め込む技術のことであり,著作権保護や改ざん検知などさまざまな応用が考えられている。 本研究では,非可逆圧縮画像の改ざん検知のための新しい電子透かし方式を開発した。まず,電子透かしによる改ざん検知方式に求められる要件を分析した上で,電子透かしによって改ざん検知を行う場合の問題点を指摘し,この解決手法を提案した。次に,電子透かしによる改ざん検知の適用分野を,画質の劣化を許容できる場合と許容できない場合とに分け,それぞれについて新しい電子透かし方式を提案した。画質の劣化を許容できる場合の電子透かし方式については,ブロックごとに3個のウェーブレット変換係数の大小関係を利用した透かし情報埋め込み法を提案している。本提案方式は,攻撃耐性と改ざん検知とを同時に満足する優れた特徴を有する。次に,画質の劣化を許容できない場合の電子透かし方式について提案した。提案方式では,オーバーヘッド情報を伝送する適応的符号化において生じる符号パラメータ選択の自由度を利用し,画像の符号化と透かしの埋め込み処理を同時に行うことにより,画質劣化のない埋め込みを可能にしている。また,本提案方式は,符号系列から画像を復号するためには,必ずしも符号系列中の透かしの存在を意識する必要はなく,従来の復号器で復号できるという優れた特徴を持っている。以上の提案方式についてシミュレーション実験を行い,本方式の有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)