2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクロアレイを用いた植物の受精及び成熟過程初期における転写カスケードの網羅的解析
Project/Area Number |
04J04811
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
久保 雄昭 岡山理科大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゲノム / アレイ / 遺伝子発現制御 / クラミドモナス / 受精 |
Research Abstract |
1.様々な環境条件で培養したクラミドモナスの細胞からmRNAを調整して作製されたESTライブリーから、重複のない10,368クローンを選別し、ナイロンメンブレン上に高密度にスポットしたマクロアレイを作製した。 2.クラミドモナスの配偶子および接合子からターゲットとなるラベルされたプローブを調整し、マクロアレイメンブレンとハイブリダイゼーションを行った。それぞれのラベル量を数値化し、接合子の配偶子に対するターゲットのラベル量の割合が3倍以上になるESTクローンを100クローン選別した。その後、その100クローンについて、栄養細胞、配偶子、接合子における転写を、ノーザンブロットで確認し、接合子のみに特異的に転写されているクローンを33個を特定、それらをZeg遺伝子と命名した。また33個のクローン全てについてその全長の塩基配列を決定し、5'末端側の配列が欠けていると判断された場合は、5'RACE法を用いて最終的なZeg遺伝子の全塩基配列を決定し、ORFを推定してコードされている推定アミノ酸配列を決定した。FASTA、SMARTなどの相同性、モチーフ検索ツールを使用してアノテーションを行った結果、Zeg遺伝子は、接合子細胞壁合成、構築に関与する遺伝子群、エネルギー代謝に関与する遺伝子群、タンパク質の代謝や合成、輸送に関与する遺伝子群、核における遺伝子発現の制御に関与する遺伝子群に分類することができた。 3.接合子特異的に発現しているZeg遺伝子について、細胞融合が起こらない突然変異株fus1株における転写をノーザンブロットで解析を行った。その結果、11個のZeg遺伝子がfus1では転写されず、その転写には雌雄配偶子の細胞融合が必要な転写プログラムに属していること、残りの22個のクローンは、鞭毛凝集による接合反応でも転写が誘起される転写プログラムに属していることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)