2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一磁束量子を情報担体とする超高速メモリシステムに関する研究
Project/Area Number |
04J04854
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤原 完 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超伝導集積回路 / ハイブリッド / インターフェース回路 / 高速試験 / SFQ / グランド電流 / メモリ / アンプ |
Research Abstract |
超伝導体集積回路は、半導体集積回路に比べ、1桁以上の高速性、3桁以上の超低消費電力性を有し、次世代集積回路としての期待が大きい。現時点で、半導体デバイス以外で、1万接合規模の回路が動作実証されたものは、超伝導回路以外に存在しない。また、低温超伝導技術の発展は、窒素温度下の高温超伝導体技術、極低温下の量子ビット応用技術の発展へも繋がる重要な研究である。昨年度、名古屋大学と共同研究を行ってきた超伝導シフトレジスタ型メモリを搭載したマイクロプロセッサの動作実証に世界で初めて成功した。今年度は、更に大規模な超伝導回路の動作に向けたバイアス電流量の増加に伴う影響調査を行った。一万接合規模回路のグランド電流影響調査の結果、まず入出力回路を元にグランド電流の影響を軽減する構造開発を行った。その結果、上部、下部グランドプレーンでシールド型構造が、グランド電流の影響を軽減する効果がある事を示す事に成功した。これは、今後の大規模超伝導回路動作へ向けた一つの指針を示す大きな結果であるといえる。 また、最も重要な課題の一つに現半導体回路とのインターフェース技術、特に高速試験を行う必要性がある。そこで、共同研究を行っているUC Berkeley校において、Josephson-CMOSハイブリッドメモリシステムの設計及び高速試験環境構築を行った。各ケーブル、コネクタ、ノイズ軽減のための電子部品を購入により、試験環境の構築を終え、各要素回路のファンクションテストに成功した。今後、クロストークの軽減、高速信号のマッチングを更に行う事で、システム全体の遅延時間測定を進める。また、レーザダイオードを用いた低温特性評価を行い、光出力インターフェースへ向けた基礎評価実験、最新プロセスを用いたCMOS回路の評価実験も継続して行っており、他デバイスの融合による、更なる超伝導技術の発展に繋げる。
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