2005 Fiscal Year Annual Research Report
UWBのための異なる周波数特性の要素アンテナで構成したアレーアンテナ
Project/Area Number |
04J04871
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐藤 正知 横浜国立大学, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アレーアンテナ / UWB / 指向性合成 / 素子間相互結合 |
Research Abstract |
UWBに適応するアレーアンテナの検討として,モーメント法を利用した電磁界解析を用いてアレーアンテナの解析を行った.検討の第一段階として,狭帯域信号の素子間相互結合を対象とした研究を進めた.実際のアレーアンテナシステムにおいてはアレーアンテナの性能を十分に発揮させるため相互素子間結合の影響を取り除くアレー校正を行う必要がある.そこで本研究では,まず,各アンテナ素子が全て同じ特性を持つ場合のリニアアレーアンテナ(Linear Array : LA)において,アレーアンテナのインピーダンス行列表現を再定義することによって素子間相互結合の影響を従来の校正法に比べて非常に高い精度で校正する方法を研究した.また,LA以外のアレーアンテナに対しても上記提案校正法が高い精度を持つことを示した. 次の研究段階として,広帯域信号に対する校正法について検討した.具体的には,各周波数において結合係数を求めることで全帯域の結合の状態を記述し,それに基づいて校正を行うことで所望のビームパターンを形成することを目標にした.本研究で用いた校正法は一般に知られているOpen-circuited voltage法を利用した.素子間相互結合はアレービームパターンのビーム方向に対しての劣化量は少ないが,ヌル方向に対しての劣化(深いヌルが得られない)が大きい.今年度の検討ではビーム方向に対するビームフォーミングを対象にして行ったため,簡易な校正法で十分であったが,次年度では,第一段階で研究した精度の高い校正法を広帯域アレーアンテナに適用して,広帯域信号のヌルステアリングの検討を進める予定である. また,これらの研究成果を国内の学会にて3件の研究発表を行った.
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