2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶スーパープリズムフィルタの高性能化と多機能化
Project/Area Number |
04J04872
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 崇 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | フォトニック結晶 / スーパープリズム / スーパーレンズ / 狭帯域波長フィルタ / 無反射構造 / 回折 / 光偏向 / 集光レンズ |
Research Abstract |
フォトニック結晶は光の波長程度の多次元周期構造であり,特異な分散特性を示す.なかでもスーパープリズムは入射角と波長のわずかな変化で結晶中のSベクトルが大きな光偏向を起こすSプリズムと,結晶出射端での屈折を利用するkプリズムが存在し,回折型波長フィルタとして期待されている.本年度はそれぞれのスーパープリズムに対してフィルタ構成を微小化する集光レンズの集積を検討した.SプリズムはSベクトルの偏向であるため,kベクトルの屈折を利用する通常のレンズでは波長を分解できない.kプリズムはkベクトルの偏向であるためにレンズで集光可能であり,FDTD解析によって波長分波動作を確認した.また,出射端で高次の回折波を利用することで角度分散が4倍以上大きくなることを発見した.一方,Sプリズムの集光レンズについてもフォトニック結晶の分散特性の1つであるスーパーレンズ効果を利用したフィルタシステムを提案した.スーパーレンズ効果は結晶中でSベクトルが集光される効果であり,Sベクトルのレンズである.この効果は曲面による屈折を利用する通常のレンズと異なり,入射端面は平面で構成され,入射位置に対して集光条件が無依存である特徴をもつ.そのためSプリズムにおいても集光レンズの集積が可能になり,数100μm角でのフィルタ構成が可能であることがわかった. フォトニック結晶のスラブ型デバイスは,反射損失が非常に大きく,この抑制構造が必要となる.これまでに三角突起を入射光に対して斜めに配置することで,反射損失を0.3dBまで低減できることを示している.本年度は様々な入射光の角度成分に対する最適化,入射角度に対する最適化を行い,全ての条件に対して反射損失0.6dB以下を得た. これらの成果を学会等で発表した.
|
Research Products
(1 results)