2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶スーパープリズムフィルタの高性能化と多機能化
Project/Area Number |
04J04872
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 崇 横浜国立大学, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶 / スーパープリズム / スーパーレンズ / 狭帯域波長フィルタ / 無反射構造 / 回折 / 光偏向 / 集光レンズ |
Research Abstract |
我々はフォトニック結晶のスーパープリズム効果を波長フィルタとして利用するために,分散面による分解能解析と,FDTD法による光伝搬解析を用いて議論してきた.昨年度,スーパープリズム効果にスーパーレンズ効果を組み合わせることで,D-WDMに必要な波長分解能0.4nmの波長フィルタが,1mm^2のデバイスサイズで実現できることを示した.そこで本年度はそれぞれの効果に最適なフォトニック結晶を厚さ0.26μmのSi層をもったSOI基板上に製作し,特性評価を行った.用いたフォトニック結晶はスーパープリズム用には格子定数0.43μm,円孔直径0.26μm,スーパーレンズ用には格子定数0.45μm,円孔直径0.28μmの45°回転させた正方格子配列2次元フォトニック結晶スラブである.製作には電子ビーム描画装置を用いてパターニングし,SF_6-ICPドライエッチングを用いてSi層にパターンを転写した.その後,HFのウェットエッチングを用いてフォトニック結晶をエアブリッジ化した.スーパープリズム,スーパーレンズ共に分散面から予測される光線追跡に対応する結果が得られた.特にスーパーレンズ効果はこれまでにミリ波帯での実験例は多くあったが,光の波長帯実験例はほとんどなく,光の波長帯で負の屈折による明確な集光特性を初めて示した.波長1.33□mの集光スポット幅は1.8μmであり,NAの最大値は0.96という非常に高い値を示した.ポインティングベクトルの収差によって,集光スポット幅は制限されているが,今後フォトニック結晶の構造を最適化することで小さくすることが可能である.これらの結果を応用物理学会で発表した.また今春にアメリカで行われるCLEO/QELSでも発表予定である.
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Research Products
(1 results)