2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハドロン衝突型実験に於けるQCD物理学の検証、及びQCD事象生成プログラムの開発
Project/Area Number |
04J04881
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
津野 総司 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | テバトロン加速器 / LHC加速器 / CDF実験 / ATLAS実験 / 数値理論計算 / ファインマンダイアグラム |
Research Abstract |
ハドロン衝突型実験に於けるQCD事象生成プログラムの開発を行なってきた。従来のプログラムの計算アルゴリズムの改良により、ハドロン衝突型加速器実験での物理事象での計算速度を100〜1000倍向上させた。計算アルゴリズムに関しては、現在、論文投稿中である。一方、我々のプログラムを用いてトップクオークの崩壊に関して研究を行なってきた。トップクオークは、現在テバトロン加速器実験で、世界で精力的に研究が行なわれている研究課題である一方、まだ、十分には研究がなされていない。我々は、トップクオーク崩壊に関する様々な力学変数を研究することにより、実験的にトップクオークのスピンを再構成するための新しい手法を見つけた。実際の実験解析でも十分に再現が可能であることを示し、論文掲載された。同時に、トップクオークの崩壊に対して我々のスピン再構成方法を用いて、異常結合定数の測定可能性を検証し、シミュレーションレベルで、実際の実験条件下である程度の見積もりを得た。この結果に関しても論文投稿し、掲載予定である。また、フランスでの国際会議でも報告した。現在は、我々の研究を実際の実験データに当てはめて検証している。実験データ解析に於いては、測定信号のバックグラウンドとなる事象の評価、及び、信号に対する統計処理・誤差評価を行う必要がある。実験データの解析手法に関しては、我々の実験グループ内で、随時報告し、内部資料としてまとめてきた。我々の結果を実験グループの結果として公表・論文するために、現在、グループ内での発表と精査を繰り返している。
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