2004 Fiscal Year Annual Research Report
マントル捕獲岩の同位体地球化学による南太平洋スーパープルーム起源物質の解明
Project/Area Number |
04J04886
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 晃 岡山大学, 固体地球研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 同位体地球化学 / マントルプルーム / マントル捕獲岩 / オントンジャワ海台 / Sm-Ndアイソクロン年代 / かんらん岩 |
Research Abstract |
本研究の目的は、天然に産するマントル捕獲岩から初源的な地球化学的情報を抽出し、地表に噴出するまでの詳細な時間軸を与えることにより、地球深部マントルのダイナミクスに制約を与えることである。本年度は当初の計画通り、TIMSを用いたRb?Sr、Sm?Ndアイソクロン法による年代測定を中心に行った。同時進行で行ったSIMSを用いたマルチスポットにおける微量元素分析および、ICP?MSを用いた分離鉱物に対する微量元素分析の結果との比較統合から、以下に示す新しい知見が得られた。1)多くの試料において各鉱物の微量元素濃度変化は限られており、よく均質化している。2)ざくろ石?単斜輝石間の同位体比は捕獲岩の噴出年代(34Ma)とほぼ一致する。3)一部の軽希土類元素に乏しいスピネルかんらん岩から分離された単斜輝石はSm?Ndアイソクロンを形成し、160Maの年代値およびεNd=+8の初生同位体比を与える。とりわけ3)の結果から、これらの岩石はオントンジャワ海台の形成に無関係であり、それ以前に存在した海洋リソスフェアの一部であることが結論づけられた。このような岩石が海台下マントルの極めて上部に存在することは、海台の形成モデルとしてこれまで提示されていた"巨大隕石衝突説"、および"アイスランド式海底拡大説"を否定し、"巨大マントルプルーム説"を支持するものである。この結果について、Goldschmidt国際会議(デンマーク)において口頭発表をおこなった。また、Geology誌においても投稿論文が受理され、現在印刷中である。また岩石鉱物鉱床学会(日本)においても、微量元素濃度分析の結果を中心に発表を行った。
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Research Products
(2 results)