2006 Fiscal Year Annual Research Report
マントル捕獲岩の同位体地球化学による南太平洋スーパープルーム起源物質の解明
Project/Area Number |
04J04886
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 晃 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | オントンジャワ海台 / スーパープルーム / マントル / リソスフェア / かんらん岩 / 地球化学 / オスミウム同位体 / 白金族元素 |
Research Abstract |
本年度は英国ダラム大学において、負イオン表面電離型質量分析法(N-TIMS)による^<187>Os/^<188>Os比測定と、誘導結合プラズマ質量分析計を用いた同位体希釈法(ID-ICP-MS)によるRe及び白金族元素濃度測定を遂行し、オントンジャワ海台下リソスフェアの主要構成物質であるかんらん岩の年代・起源を推定した。浅部リソスフェアに由来するかんらん岩は、現世のMORBマントルと対比されるOs同位体・白金族元素組成を有しており、他の親石元素ベースの地球化学トレーサが示唆する結果と調和的であることが示された。一方、深部リソスフェアに由来するかんらん岩はOs同位体・白金族元素組成ともばらつきが大きく、特徴的にハルツバーガイトが現世のMORBマントルのOs同位体組成より低い値(^<187>Os/^<188>0s=0.115-0.120)を有することが判明した。これらの低いOs同位体組成のモデル年代計算に基づくと、これらハルツバーガイトは原生代(1.2-1.8Ga)に枯渇イベントを経験したマントルに由来することが示唆され、深部由来の石英パイロキシナイトが保持するHf-Nd-Pb同位体に基づくモデル年代と良い一致を示している。これらの結果から、オントンジャワ海台を形成した起源物質、すなわち南太平洋スーパープルーム起源物質は、主に原生代リソスフェアを構成したリサイクル地殻・マントル物質から構成されていたという結論に至った。
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