2004 Fiscal Year Annual Research Report
合成試剤としてメチレンシクロプロパン類を活用する遷移金属触媒による環化反応の開発
Project/Area Number |
04J04956
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
門脇 詳 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メチレンシクロプロパン / ルイス酸触媒 / スピロ化合物 / アレンイン / 閉環メタセシス反応 / モリブデン-アルキリデン錯体 / アレニルシクロペンテン / ビニリデン錯体 |
Research Abstract |
1.メチレンシクロプロパンを反応試剤とする新規遷移金属触媒反応の開発を行った。メチレンシクロプロパンと共に、同一分子内にアルキンを有する基質をモデル基質として、様々な遷移金属錯体を用いた検討を行った。その中でも、ルイス酸によってアルキンを活性化することを利用した環化反応を試みた際に、アレンの内部炭素-炭素二重結合とアルキンが[2+2]付加環化反応し、引き続く炭素骨格転位を経て四級炭素原子を有する三環性のスピロ化合物が得られることが分かった。特に、ルイス酸として金錯体および白金錯体が有効に作用することが明らかになった。 2.メチレンシクロプロパンの類縁体とみなせるアレンを反応試剤とする新規反応系の開発を行った。同一分子中にアレンと共にアルキン部位を有する基質であるアレンインを合成し、その閉環メタセシス反応の検討を行った。アレンインに対し、トルエン溶媒中、モリブデン-アルキリデン錯体であるシュロック錯体を作用させたところ、アルキンとアレンの内部炭素-炭素二重結合部位で閉環した環状化合物(アレニルシクロペンテン誘導体)を得ることに成功した。また、この反応は様々なアレンインに適用でき、特にマロン酸エステルを架橋に持つアレンインにおいては、ほぼ定量的に生成物が得られることが分かった。一方、反応機構の詳細な検討により、反応中間体としてモリブデン-ビニリデン錯体が介在し、これが本閉環メタセシス反応を触媒しているという重要な知見を得た。
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Research Products
(2 results)