2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J05193
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山内 卓也 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | モジュラー曲線 / ヤコビ多様体 |
Research Abstract |
研究計画の始めに書いた通り昨年度(2004.1)から今年度(2004.4)の初めにかけて、商モジュラー曲線のヤコビ多様体の分解に関する研究を行った.その結果として,当初から目標としていた、完全分解するような商モジュラー曲線のヤコビ多様体に関する問題を完全に解決した. 次に、モジュラー曲線とそのヤコビ多様体に関連して、Q-曲線の具体的構成を行った.そして,それらのモジュラー性を検証した. 一方で、申請者は2004年の8/23から9/15の間、海外渡航を行い、受け入れ先の研究者と情報交換を行った.その結果、アーベル多様体のmod p巡回性に関する大変興味深い結果を得ることができた(現在、preprintを作成中).結果を簡単に述べると、一般的に、Q上のアーベル多様体Aを良い素数pで還元すると6から7割に近い確率でA(F_p)は巡向群になるというものである.一方で、そうはならない例外的なアーベル多様体も存在する.例えば、ヤコビ多様体はアーベル多様体なのであるが、これがある拡大体上で分解してしまうような場合だとそのような確率は極端に低い.このような現象は申請者のヤコビ多様体の分解に関する研究に直接に関係していることが分った. 渡航先の研究者との議論により、代数曲線のヤ早ビ多様体(1-モチーフ)の分解をモチビックに考えることで,別の対象への結びつきを理解することができた.そして,扱っている問題がどのように一般化されるかを見出すことができた.このような進歩は申請者の研究や知識の幅を広げるのみならず,今後の研究成果に大きく影響するものであると期待する.上記の内容から海外渡航は非常に意義の有るものであったと確信する. また、国内での集会に計4回参加して情報交換や意見交換を行った. 最後に、計算機関連についてであるが、2004年度の初期にノートパソコンを購入し、研究に大いに活用した.特に、Q-曲線の構成に関する計算はこのノートパソコン上で実行され,実質的な成果を上げた.
|
Research Products
(1 results)