2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J05242
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白石 崇人 広島大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大日本教育会 / 帝国教育会 / 教育研究団体 / 研究体制 / 教育学 / 教員 / 教育会 / 日本教育史 |
Research Abstract |
本年度は、帝国教育会の活動全体、その教育研究活動の基本的性格、研究成果の普及状態、文部行政における役割を分析した。まず、帝国教育会の活動全体を詳細に表記した年表(明治12年〜昭和19年の64年間分)、同会機関誌『教育公報』『帝国教育』(総計605号)の全記事の確認、帝国教育会の前身団体の大日本教育会における研究活動の制度化過程、地方教育会の機関誌の調査、帝国教育会に対する文部省諮問を通した文部行攻における役割を分析した。これらの研究調査結果は、全国地方教育史学会・教育史学会・中国四国教育学会において発表した。 本年度において活字化された研究成果は、次の二つが挙げられる。 一つ目は、『広島大学大学院研究科紀要』第三部54号に、「明大日本教育会および帝国教育会における広島県会員の特徴-明治16年の結成から大正4年の辻会長期まで」と題して掲載された。これにより、両会の会員は、広島県を事例とすると、現役の小学校教員が5割から7割を占め、自らの研究や学習を達成・発展させる手段として利用していた者が入会していたことが明らかになった。 二つ目は、中国四国教育学会編『教育学研究紀要(CD-ROM版)』第51巻に、「大日本教育会および帝国教育会における研究活動の主題-学校教育・初等教育・普通教育研究の重視」と題して掲載された。これにより、両会における研究活動の主題は、主に学校教育とくに初等教育・普通教育に関する主題であり、大正期半ば以降から研究主題の多様化が進んだことが明らかになった。また、大正昭和期において、教員生活・地位に関する研究主題が帝国教育会における研究活動の中で安定した地位を得たことも明らかになった。
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Research Products
(2 results)