2004 Fiscal Year Annual Research Report
野生メダカ由来性関連突然変異体の発生遺伝学的解-XXオス原因遺伝子の同定-
Project/Area Number |
04J05383
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
四宮 愛 新潟大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脊椎動物 / 魚類 / 性転換 / 突然変異 / 性決定 / 性分化 |
Research Abstract |
2002年にメダカの性決定遺伝子DMYが同定された。本研究では、DMY遺伝子の有無を遺伝的な性判定に利用して、メダカ野生集団に存在する性関連突然変異体(性転換個体)を探し出す。それらの突然変異体の解析から、原因遺伝子を同定し、性分化カスケードにおける役割を明らかにすることを目的とする。これまでに野生メダカ3004個体のスクリーニングから、26個体のXYメス、16個体のXXオスを得た(Shinomiya et al.,2004)。本年度は新潟県白根市の野生集団由来のXXオスに関する解析を進めた。 1.白根XXオス原因遺伝子の連鎖分析:(1)戻し交配個体の雄55個体を用い、各メダカ連鎖群4以上、計110の発現配列タグ(EST)マーカーについて連鎖分析し、原因遺伝子と連鎖群8のマーカーとの連鎖を示した(X^2検定,p<0.01)。(2)戻し交配を進めた5〜7世代の雄135個体について連鎖分析を行い、原因遺伝子を連鎖群8の1.5cMの領域に絞り込んだ。 2.白根XXオス精巣分化過程の解析:(1)原因遺伝子領域が白根由来のホモ接合体であるSrnSS/XX系統を作出した。この系統では70%の高頻度でXXオス性転換が生じることから、突然変異個体の性分化過程の解析に有効である。(2)SrnSS/XX系統の生殖巣初期分化過程(孵化後0〜15日)の組織学的解析から、この系統での卵巣分化の抑制は孵化後4日より前に起こることを明らかにした。これより、原因遺伝子は初期精巣分化に関与する遺伝子であることが示唆され、これまで全く不明であったDMY以降の精巣分化カスケードに迫る手がかりが本研究により示された。
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Research Products
(2 results)