2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオミメティックプロセスによる新規有機-無機複合材料の開発
Project/Area Number |
04J05511
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
片桐 清文 豊橋技術科学大学, 工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオミメティック / 有機-無機複合体 / コア-シェル粒子 / 脂質二分子膜 / ゾル-ゲル法 / 交互積層法 / 非対称膜 / コロイドテンプレート法 |
Research Abstract |
本研究では、コア-シェル粒子などをベースに、バイオミネラルなどの構造や形成過程などを手本にして様々な有機物質と無機物質との複合化を行い、新規材料を開発することを目的とした。さらに構造だけでなく有機、無機部位の機能をも連係させた新規材料の設計構築を行うことで新規機能性材料の創成を目指すものである。3年計画の初年度に当たる本年度は、まずコロイド粒子をテンプレートにした交互積層法による脂質膜のカプセルを開発と脂質膜の機能化に重点を置き、以下のような成果を得た。 (1)"セラソーム"を形成することで知られる、シリコンアルコキシド部位を頭部に導入した脂質を用いて、メラミン-ホルムアルデヒド粒子をテンプレートに脂質二分子膜をコーティングしたコア-シェル粒子ならびに中空カプセルを開発した。このカプセルは従来のリン脂質等を用いたものより、界面活性剤ならびに有機溶媒に対して、高い耐溶解性を示した。 (2)内膜と外膜で異なる脂質組成をもつ細胞膜を手本に、非対称脂質二分子膜のカプセルを、交互積層法を応用して作製した。得られたカプセルは内膜と外膜で完全に異なる脂質分子で構成され、その非対称性は高分子電解質とコンプレックスを形成することで長期間保持されることが明らかになった。また、単分散のコロイド粒子をテンプレートにすることで、粒径のそろったカプセルが得られ、脂質膜の総数も交互積層の回数を変えることで容易にコントロールできることがわかった。 (3)脂質二分子膜ベシクルにJ会合体を形成する両親媒性色素を組み込み、重金属イオンによる会合状態の変化について検討を行った。その結果、金属イオンを添加しない系ではJ会合体を形成せず、溶液は赤色を呈するが、マグネシウムイオンを添加するとJ会合体を形成し紫色となり、カドミウムイオンを添加した場合、溶液は青色を呈することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)