2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノテクノロジーを用いた生体機能マイクロデバイスの開発
Project/Area Number |
04J05536
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 有希 東京女子医科大学, 先端生命科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | マイクロチップ / マイクロ化学システム / 細胞培養 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
化学システムをマイクロチップ上に集積化する「化学反応の集積化」の応用として、細胞を利用したシステムについて研究を進めている。マイクロ・ナノデバイスを用いた新規培養・分化制御技術を開発することにより、複数種の細胞をマイクロ空間に高度に組織化させ、微細な組織構造を持った複雑なマイクロ臓器デバイスを実現することを目的としている。この一環として、今年度は臓器の重要な構成要素である、血管内皮細胞について培養条件の最適化を行った。マイクロチップ内で細胞を健全な状態で培養する際に問題となると予想され、検討すべき点として、閉じた微小空間であるためぺ培地の供給が必要であること、が挙げられる。すなわち、マイクロチップ空間は、マイクロチャネルを血管とみなすと、微細流路からなる生体類似環境であるため、組織の細胞が血液の供給を受けるのと同様に、マイクロチャネルを通じて新しい培地や酸素等を絶えず供給することが、マイクロチャネル全体で長期間にわたって良好な細胞培養を実現するために不可欠であると言える。しかしながら、マイクロチャネル内の流体は層流となって流れているため、壁面付近に生じた速度勾配により勇断応力が生じる。この勇断応力は、マイクロチャネル底面に接着して生存している細胞に対して引き剥がすような力を加えることとなるため、細胞そのものが剥がれる、あるいは細胞に対してストレスとなることが推測される。マイクロチャネル内の剪断応力は、マイクロ流体制御技術により、精密に制御できるという特長を活かし、この勇断応力がマイクロチャネル中の細胞に対して与える影響を調べた。具体的には、勇断応カストレス下での細胞の形態変化と、産生する物質の変化を調べた。
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Research Products
(1 results)