2004 Fiscal Year Annual Research Report
光と超音波による熱電変換材料としての遷移金属酸化物の物性研究
Project/Area Number |
04J05600
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
間 広文 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 熱電変換材料 / 超音波 / 光電子分光 / 遷移金属酸化物 |
Research Abstract |
今年度は、超音波を用いてMn酸化物(特にPr_<1-x>Ca_xMnO_3)の軌道-格子相互作用、電荷-格子相互作用の研究を行った。その結果、電荷揺らぎ(Mn^<3+>とMn^<4+>)と軌道自由度(e_g軌道)による弾性定数のソフト化をそれぞれ違った対称性のモードで観測することが出来、そのことをPRBに発表した。また熱電材料として期待されているCo酸化物の超音波実験も行った。Co酸化物の熱電特性の良さは、CO^<3+>のスピン状態がIS状態に起因するとの報告があり、IS状態の研究を中心に行っている。例えばLaCoO_3では約100K付近でIS状態からLS状態への転移を超音波実験でも観測し、その高温側では系がIS状態であることを示す弾性定数のソフト化を観測している。現在もCo酸化物の超音波実験に関しては継続中である。また、熱電材料として注目されている充填スクッテルダイトの超音波実験も行い、PRBに発表している。PrOs_4Sb_<12>ではPr^<3+>が原子座標からオフセンターになっていることを示す弾性定数の周波数分散を観測しており、Pr^<3+>がオフセンターになることがこの系の熱伝導度を低くしている。 Co酸化物(NaxCoO_2、[Ca_2CoO_3]_<0.69>[CoO_2]など)のμSRの実験を行い、低温でのSDW転移、高温でのナイトシフトを観測し、応用物理学会および熱電材料の国際会議に発表している。また、ZTが2を超えるPbTe系熱電材料のバンド計算も行い、その熱電特性の良さ(高温での低い熱伝導と高いゼーベック係数)とバンド構造との関係の考察をAPSで発表している。
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Research Products
(3 results)