2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質結合シグナル分子の細胞膜上での超高速拡散と信合の空間制御:1分子法による研究
Project/Area Number |
04J05634
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中田 千枝子 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 神経細胞 / イニシャルセグメント / リン脂質 / 1分子蛍光 / 脂質結合シグナル分子 |
Research Abstract |
1.昨年度(第1年度)において、従来は33ミリ秒が限界であった蛍光プローブを用いた観察に高感度のICCDを用いることにより5ミリ秒までの時間分解能に到達する高速ビデオ観察系を確立した。今年度はこの観察系を用いて、ジャイアントリポソーム中および細胞膜中での脂質分子プローブの運動を解析した。膜内拡散および表面拡散の2状態の検討をすすめ、特に表面拡散の性質を調べた。また、表面拡散の性質を調べるため、観察された軌跡の微視的な平均二乗変位をもとにした解析方法としてし新たな運動解析理論を新規に導入した。これらの結果は、膜内拡散と表面拡散の拡散速度はあまり違わないこと、しかし、膜骨格フェンスやそこにアンカーされたピケットの存在する細胞膜では両者の違いが大きくなり、表面拡散の重要性が増すことがわかった。2.培養細胞株および神経初代培養細胞の細胞膜において、脂質結合型シグナル分子の拡散状態、更にそれらの信号入力時の変化を調べた。これには信号入力直後の挙動を高時間分解能で観察することが必要であるが、このために、本年度は上記の観察系に加え、自動焦点維持装置を組み込んだ全反射型蛍光顕微鏡装置を開発した。この装置によって、刺激中、さらに刺激直後にも焦点が変わらない連続観察ができるようになった。その結果、それまでは刺激を受けていなかったグルタミン酸受容体は、刺激によって拡散速度が減少し、また会合体を形成していた分子は会合体中で安定化されることがわかった。
|
Research Products
(1 results)