2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J05641
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石谷 太 名古屋大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Notch / NLK / 神経発生 |
Research Abstract |
Notchシグナル伝達経路は、神経細胞分化の抑制や幹細胞性の維持などに関与する重要なシグナル伝達経路である。このNotchシグナルの伝達はNotch受容体がリガンドと結合することにより始まる。Notchはリガンドと結合するとその細胞内ドメイン(NICD)を膜から切り離す。そしてNICDは核内に移行して標的遺伝子の転写を活性化する。Notchシグナルの制御機構の解明は将来的な再生医療への応用につながると期待される。 私は今回、NICDに直接作用してNotchシグナルを低下させる新規Notchシグナル制御因子として蛋白質リン酸化酵素NLKを同定した。私はまず、NLKがNICDを直接リン酸化すること、NLKによるリン酸化の結果としてNICDの転写活性化能が低下することを見いだした。Notchシグナル伝達系は神経細胞の分化を抑制する機能をもつ。そこで、NLKがNotchシグナルによる神経分化抑制に関与するかを、ゼブラフィッシュ胚を用いて検討した。NLK機能阻害胚では、Notchシグナルが過剰に活性化し、神経細胞の数が減少した。このように、NLKがNICDをリン酸化することによりNotchシグナルを阻害し、神経分化を制御することが示唆された。
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