2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J05641
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石谷 太 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Neural Crest / Wnt / lef1 / Nrarp / Notch |
Research Abstract |
Nrarp (Notch-regulated ankyrin repeat protein)はXenopusやマウスにおいてNotchシグナルを制御する因子として同定されたが、発生におけるその役割はほとんどわかっていなかった。我々はゼブラフィッシュにおけるNrarpホモログ(zNrarp-a及びb)をクローニングし、モルフォリノオリゴヌクレオチド(MO)を用いてNrarp機能欠損胚を作成し、その胚発生における役割を検討した。その結果、zNrarp-a機能欠損胚では色素細胞、顔面軟骨、末梢神経などのNCC(Neural Crest Cell)由来細胞の形成に異常がみられた。さらに、zNrarp-a機能欠損胚ではNCCの誘導は正常に起こるが、NCCの移動や分化に異常があることが明らかになった。 古典的Wntシグナル伝達系はNCC発生において重要な働きをすることが知られている。そこで、我々はNrarpと古典的Wntシグナル伝達系の関係を動物細胞を用いて検討した。その結果、Nrarpの過剰発現により古典的Wntシグナル伝達系を活性化できること、Nrarpが古典的Wntシグナル伝達系の転写因子であるLEF-1と結合し、その結合によってLEF-1タンパク質の安定性を促進することが明らかになった。さらにゼブラフィッシュ胚を用いてNrarpとLEF-1の関係を検討したところ、LEF-1機能欠損胚がNrarp機能欠損胚と同様の表現型を示すこと、Nrarp機能欠損胚でLEF-1タンパク質が減少していることが明らかになった。これらのことから、NrarpはLEF-1タンパク質の安定性を促進することより、古典的Wntシグナル伝達系を正に制御し、NCCの発生に必須の役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Wnt-1 signal induces phosphorylation and degradation of c-Myb protein via TAK1,HIPK2, and NLK.2004
Author(s)
Kanei-Ishii C, Ninomiya-Tsuji J, Tanikawa J, Nomura T, Ishitani T, Kishida S, Kokura K, Kurahashi T, Ichikawa-Iwata E, Kim Y, Matsumoto K, Ishii S.
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Journal Title
Genes & Development 7巻18号
Pages: 816-829