2005 Fiscal Year Annual Research Report
クラミドモナスの核、葉緑体、ミトコンドリアにおける遺伝子発現リズムの制御機構
Project/Area Number |
04J05644
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 拓哉 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 特別研究員(PD)
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Keywords | 概日リズム / クラミドモナス / 葉緑体 / 核 / 遺伝子発現 / ルシフェラーゼ / リアルタイムモニタリング / 生物時計 |
Research Abstract |
単細胞性の真核緑藻であるクラミドモナスの葉緑体遺伝子の発現をリアルタイムモニタリングする実験系を確立した(Matsuo et al. Molecular and Cellular Biology 2006, 26, 863-870):クラミドモナスの葉緑体にコドンを最適化したホタルルシフェラーゼ遺伝子を人工合成し、葉緑体遺伝子tufAまたはpsbDのプロモーターにつないでクラミドモナスの葉緑体ゲノムに組み込んだ。tufAやpsbD遺伝子の発現は生物時計に制御されるため、これら株の生物発光は明瞭な概日リズムを示した。その生物発光リズムは概日リズムの基本的性質「自由継続性」、「光による位相のリセット」、「温度補償性」を持っていたことから、葉緑体の遺伝子発現は生物時計に支配された『真の概日リズム』であることが確認された。また、走光性の概日リズムミュータントでも葉緑体の生物発光リズムに異常が見られたことから、葉緑体の遺伝子発現機構は走光性と同様、核ゲノムにコードされた生物時計に支配されていることが証明された。 クラミドモナスの核遺伝子の発現をリアルタイムモニタリングする実験系を確立した:クラミドモナスの核にコドンを最適化したホタルルシフェラーゼ遺伝子を人工合成し、核遺伝子LHCB1、LHCB4、HSP70A、Cytochrome C、β2-tubulinのプロモーターにつないでクラミドモナスの核ゲノムに組み込んだ。いずれの株も明瞭な生物発光を示すことを確認した。
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Research Products
(2 results)