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2004 Fiscal Year Annual Research Report

中国乾燥域における地下水涵養機構の定量的評価と流域水収支の解明

Research Project

Project/Area Number 04J05742
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

秋山 知宏  名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2) (90452523)

Keywords地下水涵養機構 / 水収支 / 蒸発散 / 安定同位体比 / 乾燥域
Research Abstract

本研究の目的は、中国甘粛省および内蒙古自治区にわたる黒河流域の下流域において、地下水涵養機構と過去30年の流域水収支を定量的に解明することである。本年度は春から秋にかけて現地観測を行い、上記目的を達成するだけのデータを取得した。
地下水涵養源の違いから、下流域は沙漠域と河畔域とに分けられると考えられてきた。本年度の現地調査の結果から、沙漠域はさらにゴビと窪地の2つの地域に分けられることがわかった。ゴビは透水係数が低く、標高が比較的高い。窪地は透水係数が高く、標高が比較的低い。両地域において降雨と地下水位の関係を観測したところ、降雨があった直後に窪地の地下水位は上昇したが、ゴビのそれは変化しなかった。沙漠域の窪地が地下水の涵養域であると考えられる。
取得した過去14年の河川流入量と地下水位のデータを解析したところ、過去10年程度では下流域への河川流入量および下流域14地点における地下水位の年々変動は小さかった。ただし、末端域では地下水位が2m程度の低下傾向にあった。また、いずれの年の河川流入量は春から夏までゼロであった。これは中流域において多くの河川水は灌漑に利用されるからであると考えられる。夏季に上流域の降水量が多いと中流域への河川流量が増大する傾向が確認された。さらに中流域への平均流量が100m^3/sを超えると、下流域において洪水が生じる傾向であった。しかし、洪水に対して下流域の地下水位はほとんど変化しなかった。このことから洪水は地下水をほとんど涵養しないと考えられる。地下水涵養速度は河川流速に比べてきわめて遅いと考えられることから、地下水涵養量は流量が多いか少ないかではなく、むしろ河川水が滞留しているかどうかに左右されると考えられる。冬季の平均流入量は洪水のそれと比べると少なかった。しかし、冬季に継続して流入する河川水によって下流域の地下水位は保たれていると考えられる。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Groundwater recharge mechanism revealed by stable isotopes and chemical solutions analysis in an hyperarid area, western China

    • Author(s)
      Tomohiro Akiyama, Masayoshi Nakawo, Jumpei Kubota
    • Journal Title

      Hydrological Processes (発表予定)

  • [Journal Article] 黒河下流域における近年の水環境変化とその支配要因

    • Author(s)
      秋山 知宏, 中尾 正義, 窪田 順平
    • Journal Title

      水文・水資源学会誌 (発表予定)

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2013-10-30  

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