2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性細菌類由来の抗腫瘍性物質Mangicol類の合成研究
Project/Area Number |
04J05765
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
荒木 啓介 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生物活性セスタテルペン / 合成研究 / transannular Diels-Alder反応 / グラムスケールでの量的供給 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
抗腫瘍性および抗炎症性を示す生物活性セスタテルペンMangicol類の全合成ならびにその構造活性相関を行うために合成研究を行った。Mangicol類の効率的な合成ルートを確立するために、一段階で一挙に、Mangicol類の四環性骨格が得られるtransannular Diels-Alder反応を鍵反応として用いることとした。出発物質に光学活性なヒロキシエステルを用いて、重要中間体となる12員環トリエンを合成した。得られた12員環トリエンに対してtransannular Diels-Alder反応を用いることで四環性化合物を立体選択的かつ一挙に構築することに成功した。得られた四環性化合物は、Mangicol Aのみならず、すべてのMangicol類の共通中間体として適用できると考えられる。続いて、得られた四環性化合物を用い、Mangicol Aの全合成を行うために、各種官能基変換およびメチル化による四級炭素構築により、Mangicol類の母核にあたるすべての炭素原子を有するエノンへ誘導することに成功した。また、構造活性相関をふまえたグラムスケールでの量的供給を行うために更なる合成経路の改良を行った。その結果、収率および実験操作の面で改善することで、グラムスケールでの量的供給ルートを確立することができ、出発物質の光学活性なヒドロキシエステルを100g用いて、12員環トリエンへの重要中間体となるジエノンを30g合成するに成功した。
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Research Products
(1 results)