2004 Fiscal Year Annual Research Report
北米産ヤスデ発光タンパクの構造と生物発光分子機構の解明
Project/Area Number |
04J05791
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
金久保 暁 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | Luminodesmus sequoiae / bioluminescence / photoprotein / luminous millipede / LC-MS |
Research Abstract |
本年度はヤスデ発光タンパクの精製を行った。試料が微量であること、発光タンパク自身の極度の不安定性からカラムクロマトグラフィーによる精製は困難をきわめた。純度向上のために多段階のカラム精製に試料をさらすと精製後半にカラム充填材や回収容器への非特異的な吸着を生じ、試料を回収する事ができなくなった。しかし、SDS-PAGEにおいて各々のバンドは分離していたことから電気泳動により単離することとした。すなわち3〜4段階のカラムクロマトグラフィーで部分精製した後に発光画分をSDS-PAGEでタンパクを分離、染色、脱色した。その後、目的の発光タンパクのバンドを切り出す事で単離した。ゲル内に保持した状態で得られた発光タンパクのバンドをサンプルチューブへ回収し、洗浄、バッファー交換した後、ゲル内酵素消化することでゲルからペプチドを溶出、回収した。得られたペプチド群をカラム精製し、各ペプチドを単一画分に分離し、ペプチドシーケンサー解析したが試料が微量であったため情報は得られなかった。次にゲル内酵素消化を行わず、エレクトロエリューション法でタンパクの状態で溶出し、N末端アミノ酸配列の同定を試みたがN末端がブロッキングされており、本解析においても情報は得られなかった。次にゲル内酵素消化物を精製することなく、極微量試料でも分析可能なnanoHPLC-ESI-IT-MS, MS/MS測定したところ、クロマトグラム上に有意なピークをいくつか与えた。これらを詳細に解析する事で今後部分アミノ酸配列を決定することができると考えられる。 また目的試料が極微量であるため、今後の実験においては極微量での解析が求められる。そこで微量分析可能な質量分析器を用いた新たな分析法を確立することとした。その一環として重水素交換MSを用いたリン酸、硫酸エステルの新規な微量識別法を確立した。
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Research Products
(1 results)