2005 Fiscal Year Annual Research Report
北米産ヤスデ発光タンパクの構造と生物発光分子機構の解明
Project/Area Number |
04J05791
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Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
金久保 暁 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 発光ヤスデ / 生物発光 / アルカロイド / エピキナマイド |
Research Abstract |
北米産発光ヤスデ(Luminodesmus sequoiae)は発光タンパク質、ATP、マグネシウムイオン、分子状酸素の4成分で緑色に発光する。本発光機構はATPを必要とする、新規発光系であり、本発光機構解明の暁には、ATPの局所的モニターとしての応用が期待される。米国のShimomuraは1981年に発光タンパクを単離、その分子量を10万と報告しているが、その後現在に至るまで詳細は明らかになっていない。2001年、Kuseらはライトエミッターとして、生物発光と同波長の蛍光物質、ジヒドロプテリンカルボン酸を単離、構造決定した。しかしながらこの蛍光物質と生物発光との直接的な証拠は得られていない。本研究では発光機構解明のため、発光タンパク質を単離、その構造解析、さらにはKuseにより単離された蛍光物質との相関を検討する事を目的とした。昨年度は発光タンパク質の単離、候補タンパク質の部分アミノ酸配列の決定を行った。本年度はライトエミッター(ジヒドロプテリンカルボン酸)との相関を検討するため、その合成的アプローチの検討を行った。まずはモデル化合物として、単純な含窒素二環性化合物である、アルカロイドのEpiquinamideをターゲットとし、その合成を行った。エピキナマイドは2003年Dalyらのグループにより単離された新規アルカロイドである。これを安価な市販品のピペコリン酸を出発原料として立体選択的アルキル化、環化、クルチウス転位を鍵反応として、エピキナマイドの全合成を達成、そしてそのジアステレオマーである、エピエピキナマイドの合成も達成した。また、構造活性相関研究のため、いくつかの誘導体を合成した。
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