2004 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ培養細胞系を用いた植物概日時計の分子機構解析
Project/Area Number |
04J05828
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中道 範人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シロイヌナズナ / 概日時計 / 培養細胞T87 / 潰伝子発現モニタリング / PRR (PSUDO RESPONSE REGULATOR) / 植物 / 生理機能 / 分子生物学 |
Research Abstract |
植物概日時計の分子機構は、様々な因子で構成されている。そのなかでもPRR (PSUDO-RESPONSE-REGULATOR)は、必須な遺伝子である。PRRはモデル植物シロイヌナズナから発見されたが、植物界全般に保存されており、時計機構への普遍性が示唆されている。例えばPRR5、PRR7は遺伝的冗長性を持ち、この関係が植物時計機構に必須である。(Nakamichi, N.et al.Plant Cell Physiol in press)しかし、分子機能は全く理解されていない。 平成16年度はその目的を達成するため、生化学的手法の導入が容易な細胞系T87を植物生物時計研究の新たなツールとして確立した。時計関連遺伝子CCA1のプロモーター領域の転写活性をモニターする系(CCA1::LUC)をT87に導入し、その発現パターンを解析した。T87でのCCA1::LUCの発光パターンは、連続光条件での自律周期性、光によるリセット、温度補償性を示した。さらにCCA1::LUCを指標とした光パルスによる位相応答曲線も理想的であった。これらの結果は、T87における生物時計の存在を示唆している。(Nakamichi, N.et al.Plant Cell Physiol.45:57-67)T87の汎用性を活かし、時計関連因子PRR9のプロモーター解析も行った。これによるとPRR9の転写活性は、光による迅速な反応と概日リズムから制御されていると示唆された。(Ito, S.et al.Biosci.Biotechnol.Biochem.69:382-390)このように植物時計研究で汎用性の高い細胞系が確立された。
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