2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経科学的手法を用いた再認記憶における無意識的処理過程の生起要因の検討
Project/Area Number |
04J05879
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 敦 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | familiarity / recollection / fMRI / gamma / Time-Frequency Analysis |
Research Abstract |
本研究の目的は単語の再認に関わる2つのメカニズム,familiarityとrecollectionの神経的なメカニズム,特にfamiliarityに関して焦点をあてて,時間分解能に優れる脳波,事象関連電位と空間分解能に優れる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を指標として検討することである.今年度の成果としては,再認時の想起に関して想起の成功と刺激の反復を区別するための実験をfMRIとERPを用いて検討した.結果として,想起の成功に関する活動が左前頭葉,左右の頭頂葉,前部帯状回などに見出され,単なる刺激の反復とは異なる神経メカニズムを明らかにした.また,ERPデータに対して独立成分分析を用いて検討を行ったところ,それぞれの活動に対応する成分が独立成分として抽出された.これらは刺激提示より500ms,600ms,700msにそれぞれ頂点を待ち,それぞれ異なる時間帯に活動をしていることが明らかとなった.また,想起の脳波研究にに関してこれまではあまり行われてこなかった時間-周波数解析を行った.想起とは異なるプライミング課題においてはプライミングの効果はガンマ帯域(30-80Hz)の活動に影響を与えることが明らかとなり,想起に深く関わるシータ帯域(4-8Hz)の活動とは分離できることが明らかとなった.この知見をもとに想起に関わるrecollectionとfamiliarityとプライミングの効果を分離することがつぎの目標となるであろう.
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Research Products
(2 results)