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2005 Fiscal Year Annual Research Report

アモルファス窒化炭素を用いたバイオミメティック・ナノスキンの創製

Research Project

Project/Area Number 04J05901
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

太田 理一郎  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員DC1

Keywordsアモルファス窒化炭素 / アークイオンプレーティング / ポリマー基板 / 多層膜 / ナノインデンテーション試験 / 硬度 / 耐摩耗性
Research Abstract

1.はじめに
現在,医療分野では血液と接触する医療用器具の抗血栓性,機械的強度,化学的安定性の向上が望まれている.一方,磁気記録ディスクの保護膜等に応用されているアモルファス窒化炭素(a-CN)膜は,生体分子と類似の元素で構成されていることから生体親和性を有することが期待される.そこで本研究では,生体内で抗血液凝固作用を発揮する一酸化窒素(NO)をa-CN膜に貯蔵し,機械的強度,化学的安定性を併有する抗血栓性材料の開発を目指す.本年度は,(1)a-CN膜の被覆によるポリマー表面への機械的強度の付与,および(2)アモルファス炭素(a-C)膜とa-CN膜により構成される多層膜(a-C/a-CN多層膜)の作製による膜の機械的特性の向上を試みた.
2.実験方法
a-CN膜,a-C膜およびa-C/a-CN多層膜は,シールド型アークイオンプレーティングにより作製した.基板には,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリマーおよびSi(100)を用いた.膜の硬度は,ナノインデンテーション試験により測定した.膜の耐摩耗性は,AFMにダイヤモンドチップを搭載し,荷重を印加しながら走査を行うことにより膜表面に形成された摩耗痕の深さを測定して評価した.a-CN膜中の窒素含有量は,X線光電子分光法(XPS)により測定した.
3.結果および考察
いずれのポリマー基板にも,a-CN膜の被覆が可能であった.a-CN膜の被覆により,ポリマー表面の硬度および耐摩耗性が向上した.また,a-CN膜中の窒素含有量によりa-CN膜の硬度および耐摩耗性が異なった.a-C/a-CN多層膜は,a-C膜およびa-CN膜よりも優れた硬度を有していた(a-Cの硬度:〜42GPa,a-CNの硬度:〜18GPa, -C/a-CN多層膜の硬度:〜46GPa).a-C/a-CN多層膜の耐摩耗性は,a-CN膜よりも優れていた.
4.まとめ
a-CN膜の被覆によりポリマー表面の硬度および耐摩耗性が向上した.さらに,a-C/a-CN多層膜は,a-C膜およびa-CN膜よりも優れた硬度を有していた.今後,生体外,生体内におけるa-CN膜の機械的強度,化学的安定性,血液適合性の評価,NO貯蔵したa-CN膜の抗血栓性の評価,血液の凝固において重要な役割を果たすフィブリノーゲンなどのタンパク質の表面吸着状態の評価などを行う予定である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 自己組織化単分子膜を利用した選択的無電解めっきによる金属パターンの作製とポリマー上への転写2005

    • Author(s)
      稗田純子, 齋藤永宏, 太田理一郎, 高井治
    • Journal Title

      表面技術 56(2)

      Pages: 113-l17

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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