2006 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス窒化炭素を用いたバイオミメティック・ナノスキンの創製
Project/Area Number |
04J05901
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 理一郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | アモルファス窒化炭素 / フィブリノーゲン / 吸着凝集状態 / 原子間力顕微鏡 / ケルビンプローブ力顕微鏡 / 形状像 / 位相像 / 表面電位像 |
Research Abstract |
1.緒言 現在、医療分野では血液と接触する医療用器具の抗血栓性、機械的強度、化学的安定性の向上が望まれている。一方、磁気記録ディスクの保護膜等に応用されているアモルファス窒化炭素(a-CN)膜は、生体分子と類似の元素で構成されていることから生体親和性を有することが期待される。そこで本研究では、a-CN膜を用いて、機械的強度、化学的安定性を併有する抗血栓性材料の開発を目指した。本年度は、原子間力顕微鏡(AFM)およびケルビンプローブ力顕微鏡(KPFM)を用いて、生体材料表面における血液凝固プロセスを大きく左右するフィブリノーゲン(Fbg;血液凝固因子)の吸着凝集状態を調査した。 2.実験方法 Fbgを溶解したリン酸緩衝溶液に基板を浸漬することにより、基板上にFbgを吸着させた。基板にはa-CN膜を被覆した高分子基板、表面の化学結合状態がsp^2Cにより規定された高配向グラファイト(HOPG)基板等を用いた。Fbgの吸着凝集状態は、AFMにより得られた形状像および位相像、KPFMにより得られた表面電位像により評価した。 3.結果および考察 Fbg単一分子の形状像にはDおよびEドメインが確認された。一方、Fbg単一分子の位相像にはDおよびEドメインとともにαCドメインが確認された。基板表面とαCドメイン間の高低差が小さいことから形状像ではαCドメインが確認されなかったのに対して、位相像ではプローブ-試料間の相互作用が大きく反映されることからαCドメインが可視化されたと考えられる。また、HOPG表面におけるFbg単一分子の構造変化が確認された。さらに、Fbgの表面電位像を世界で初めて観察した。Fbgの表面電位は、HOPGの表面電位よりも約20-40mV小さかった。Fbgの凝集繊維の表面電位像には、FbgのDおよびEドメインを反映する周期的な電位の低い領域が確認された。
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