2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質のミトコンドリア膜透過におけるTim23-Tim50相互作用の役割の解析
Project/Area Number |
04J05940
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田村 康 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | ミトコンドリア / 蛋白質輸送 / 出芽酵母 / トランスロケーター |
Research Abstract |
Tim50との相互作用が弱くなる、または出来なくなるtim23変異株のスクリーニングをおこない、いくつかのtim23温度感受性変異株を単離する事に成功していた。これらの株を用い、さらに詳細な解析を行った。その結果、Tim23のコイルドコイル構造を取ると考えられる64、71、78番目のロイシン残基の内、64または71番目のロイシン残基をセリンに置換した変異体tim23-L64S,tim23-L71Sは、Tim50との相互作用が、著しく減少した。一方78番目のロイシンをセリンに置換した変異体tim23-L78Sは、Tim50との相互作用に阻害を生じなかった。これらの結果から、Tim23の64、71番目のロイシン残基が、Tim23-Tim50相互作用に重要な役割を持つ事を明らかにした。 さらに、野生型Tim23の代わりに、これらのTim23変異体を発現させたミトコンドリアへのin vitro import実験を行った。その結果、tim23-L64S、tim23-L78Sを発現させたミトコンドリアに比べ、tim23-L71S変異体を発現したミトコンドリアにおいて、TIM23複合体経路で取り込まれる基質の取り込み効率が著しく減少した。この結果により、Tim50とTim23の71位での相互作用が、TIM23複合体経路の膜透過反応に重要である事が明らかとなった。 また、Tim50との相互作用が弱くなり、TIM23複合体経路の膜透過反応に阻害を示す、tim23-L71S変異株の温度感受性を、Tim50、Tim17の過剰発現により抑圧できる事がわかった。この結果は、Tim50、Tim17を過剰発現する事により、Tim50と相互作用できるTim23-Tim17複合体の数が増加した事に起因すると考えられた。
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