2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規H^+ピロホスファターゼの分子構造、作動機構、生理機能の解析
Project/Area Number |
04J05967
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
広野 めぐみ 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | H^+-ピロホスファターゼ / 放線菌 / 変異体解析 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
1.放線菌H^+-ピロホスファターゼ(H^+-PPase)の変異ライブラリー解析 H^+-PPaseの基質結合部位のある高度保存領域を含めた領域については、前年度のランダム変異体解析に引き続き、部位特異的変異導入法により解析した。H^+-PPaseの酵素機能に特に重要と考えられるドメインを明らかにした。さらに、第二の高度保存領域をもつ、隣接した領域を対象とした変異体解析を行った。約1500種類の変異体から膜サンプルを調製し、加水分解活性およびH^+輸送活性の測定と抗体を用いたH^+-PPase定量を行った。その後、期待される種類の活性変化を示す変異体について、変異位置を決定した。加えて、知見の乏しい膜貫通領域を中心に部位特異的変異導入による解析も行った。これら変異体の変異位置および活性評価から、H^+輸送および基質加水分解とH^+輸送の共役機構に関わるアミノ酸残基が推定された。放線菌H^+-PPase全長のほぼ半分について、網羅的な変異体解析を終了し、H^+輸送およびエネルギー共役に関わる膜貫通領域をはじめ、多くの機能残基について知見を蓄積した。 2.放線菌におけるH^+-PPaseの生理的役割 放線菌のH^+-PPaseが生体内で果たす役割について知見を得るため、ゲノム解読の終了したStreptomyces coelicolor A3(2)を用いた解析を行った。S.coelicolor A3(2)のH^+-PPase破壊株について、phenotypeが見られる条件を検討した。その結果、H^+-PPase欠損により、色素生産および培地pHに有意な差が出ることを明らかにした。また、S.coelicolor A3(2)におけるH^+-PPaseの転写についてmRNAレベルで確認し、時期およびパターンを明らかにした。
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Research Products
(1 results)